新聞やニュースで目にする漢字、読み違えてません?
正月のバラエティ番組で明石家さんまが「必ず死ぬと書く必死という単語がすごい」ようなことを言っていた。確かに「必ず死ぬ」という意味もあるけど、将棋で、次に必ず王将が詰む、受ける方法がない状態(必至とも書く)と聞けば、それも納得。「必死で頑張る」という場合は「死ぬ覚悟で」の意味だと聞けば、それも納得。よく似た言葉では「命懸け」と書く「懸命」がある。また「死に物狂い」は、最もじたばたした感じの語で、追い詰められた状況などに使い、軽い場面では使われない。
死 |
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命 |
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最近、マスコミなどで使われ出した「自死」。先日TVドラマ「相棒」の中でも台詞に出てきたので取り上げてみる。「自殺」は英語でも「kill oneself」、「suicidium(sui自分で+cidium殺すこと)」だから、何かとオブラートに包みたがるのは日本だけなのかも。
殺 |
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死 |
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新装なった歌舞伎座が4月2日、「杮葺落(こけらおとし)四月大歌舞伎」の初日の幕を開けました。あれ、「こけら」は「杮」の一字でいいはずですが、歌舞伎座は「杮葺(こけらぶき)」で「こけら」と読ませるのでしょうか。きっと「柿(かき)」と紛らわしいので、そう表記しているのかな。
一方、柿は『日本から1789年にヨーロッパへ、1870年に北アメリカへ伝わったことから学名にも kaki の名が使われている。英語で柿を表す「Persimmon」の語源はアメリカ合衆国東部の先住民であるアルゴンキン語族の言葉で「干し果物」を意味する名詞「ペッサミン」であり、先住民がアメリカガキ(Diospyros
virginiana L.)の実を干して保存食としていた事実に基づく。近年、欧米ではイスラエル産の柿が「シャロンフルーツ(Sharon Fruit)」という名称で流通するようになったため、柿は「Persimmon」よりも「Sharon
Fruit」という名で知られている - Wikipedia』そうだ。
杮
旁(つくり)の縦棒は突き抜けている
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柿
旁(つくり)は鍋蓋と巾でできている
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今回は少し趣旨を変えて、英語でも通じるだろうと思い込んでいる日本語。先日あるテレビ番組の中で、タレントが海外で困ったことに、パンという言葉が通じなかったというエピソードを聞いて、食べるパンは「ブレッド」だろと突っ込みつつも、じゃあ普段使っているパンって何だ? 少し考えれば分かることだけど、すっかり日本語になってしまうほど馴染んでいる外来語と言えばポルトガル語。ポルトガル語のパン【pão】が元らしい。漢字では「麺麭」とか「麪包」と書くようだ。「麺」という文字を使っているが中国語の麺はイタリアのパスタとほとんど同じ意味のようだ。
pão
ポルトガル
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英語で食パンは「Bread」、フランスパンは「French bread」だが、丸いパンには「bun」を使って、あんパン「a bean-jam bun」、カレーパン「a curry bun」となるようだ。 |
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麺
中国
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pasta
イタリア
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もともとは「脆弱な体質」のように使われていたのに、最近では「システムの脆弱性」のように、セキュリティ関連のニュースで見かけるようになりました。「危」の字が入っていても「き」とは読まない。
脆 |
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改竄の「竄」。パッと見でも似てると思ってたけど、どうも狭い穴に潜り込んだ鼠のようですね。「もぐる」、「のがれる」、「かくれる」、「穴の中に押し込める」などの意味があるようです。
竄 |
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鼠 |
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ATOKでは誤読の「はじょう」と入力しても変換してくれる「破綻」。「糸」偏と「金」偏の違い。
綻 |
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錠 |
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